1945(昭和20)年12月に創業したフタバ食品株式会社は、2025年12月に80周年を迎えます。はじめに、これまでご愛顧・ご支援いただいた消費者の皆さまやお取引先さま、地域の皆さまに、この場をお借りし、心より御礼申し上げます。また、今日当社がありますのは、幾度となく苦難にあいながらも、新たな挑戦により事業を発展へと導かれた諸先輩方や、現在日々の業務に励まれている従業員の方の、努力の賜物にほかなりません。改めて、深く感謝申し上げます。
当社が今日まで成長し続けてきたその原動力は、創業後間もない1949(昭和24)年に発生した、キティ台風に端を発すると思っています。当時は製粉事業を営んでおり、台風による原料(小麦など)の被害を防ぐため従業員一同が会社に集まり、一丸となってそれらの搬出に全力を尽くしました。しかし、結果として大きな損害を被り、創業者である見当邦雄は私財を投じて復興資金に充当。事業の再興を図りながら、国中が戦後の食糧難と被災とで苦しむ中、貴重な原料を小麦粉にしてお届けしました。現在も脈々と引き継がれている社是は、この時、見当邦雄が想いを込めつくったものです。
被災後は事業を立て直し、以降、新たな食文化を創造していくため、通年で事業を展開する全天候型経営に舵を切り、多角化することで業績を安定させてまいりました。その中で始めたのが、中華まんじゅうやマロングラッセの製造・販売、外食事業の展開です。コア事業となるアイスクリームに関しては、サクレレモンという40年に及ぶロングセラー商品を生み出すなど、現在へと続く基盤を築いてまいりました。今後は「おいしさと楽しさ、安全と安心」、そして「幸せの追求」をテーマに、新工場を設立し増産体制を整備する一方、海外市場も視野に入れながら事業の拡大を図ってまいります。 80周年を迎えたこの機に、「私たちは喜んで社業に励み 進んで社会生活に貢献することを目的とします」という創業者の想いが込められた社是を再認識し、さらなる努力を積み重ねてまいりますので、今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。